純正律に関する雑感その1

 私は大学時代の専攻が「音楽音響学」であるし、今も「純正律音楽研究会」の会員なので、一応この手の話には詳しい方ではないかと思う。ちょっと以前だが、こんな動画をアップしている。

 かなり分かりにくくてごめんなさい。

上の動画では

ド-1
-9/8

ミ-5/4

ファ-4/3

ソ‐3/2

ラ‐5/3

シ‐15/8

 という

整数比の音階です。

第1弾と銘打っているくらいで、続編としてヴェルクマイスターとかミーントーンとかその他色々な音を聴いていただくつもりだったのだが、結構手間がかかるのと、今どきは電子楽器で聴き比べができる時代になって、検索するとそれなりに出てくるので、今の所これだけになっている。


 ところで…。

 純正律の話は、
 農業における「有機栽培」
 食品業界における「無添加」
 パン屋における「天然酵母」
と 共通するものがあって、知識の中途半端な人や頭でっかちの人に、まるで宗教かのようにに「どうしてもこれでなくっちゃ」と思いこまれて、かえって総合的な善し悪しの判断が?な場面が若干見受けられるように思う。
 例えば上の動画の調律ではもちろんハ長調の曲しか演奏できないし、ハ長調でもIIの和音(レファラ)はレ~ラが使えない音程なので若干編曲での工夫が必要になる。
 でも世間には「調子っぱずれに聴こえるかも知れないけどこれが正しいのです」みたいなとらえ方をする人がある程度出てきてしまうのですね。まあ音律論に食い込んでくるような人はほとんどの人は分かっていると思うけど。

 パン業界でも「天然酵母」がブームらしいと聞いて付け焼刃の技術で作ったであろう、「明らかに元種の培養にミスがあって異臭がするパン」を買ってしまったことがあります(かなり以前)。また愛好家レベルの人が書いた天然酵母パンの本で、業界人や保健所が見たら恐ろしくなるような衛生管理なのを見たこともある。

 また自然食品の店なのに西日のガンガンあたるウインドウに商品を並べていて「その粉類は思いっきり酸化していて体に悪いだろう」というお店もあった。


 今は中途半端な知識や受け売りでも簡単に発信できるので、自戒して気を付けたいと思います。

 

 でも「有機栽培」「無添加」「天然」を必要以上にブランドの差別化に使って商売しているメーカーも沢山ある。ちゃんとしたのもあるけど「よくわかっていない人」に付け込んだ悪徳商売に近いのもあります。健康食品と化粧品は特に要注意かも。

何だか音楽の話とずれてきてしまった。ブログだからまあ良いとしよう。