バッハの「小フーガト短調」BWV578を弦楽器アンサンブルのために編曲しました。
弦楽四重奏で演奏できるように書いていますが、コントラバスを入れて5重奏でも良いようにしてあります。人数を増やして弦楽合奏にするのも良いと思います。
この曲の弦楽器のための楽譜はすでに世の中にいくつも出回っていると思いますが今回のこの楽譜は、アーティキュレーションおよびダイナミクスを書き込み、すぐに使える実用的な演奏譜を目指しました。
ダイナミクスはバロックらしいメリハリにしてあります。アーティキュレーションはバッハらしく、しかもそのまま演奏すれば自然にほとんどのボーイングが決まるように考えてあります。
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https://music-bells.com/?pid=158222429
バッハの有名な「小フーガト短調」をオーケストラ編曲しました。編成はトロンボーン抜きの2菅編成(ベートーベンの初期交響曲と同じ人数)です。
オクターブで楽器を重ねることによりオルガンサウンドのイメージに近づけています。
スコアおよびパート譜セットは「ミュージックベルズ」より販売しています。
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https://music-bells.com/?pid=163459276
下の音源は友人松本道弘氏によるものです。
私の音源とひと味違うと思います。(関連ブログ)
たぶんこの曲は(鼻から牛乳)で有名な「トッカータとフーガニ短調BWV565」の次くらいに有名で誰もが知る曲だと思います。(ハゲネタの替え歌でも有名らしい)オーケストラ編曲も色々あるようで、ストコフスキーが特によく知られていますが、それ以外の譜面でもやったことがあります。敢えて新編曲を書くからには説明も必要と思うので、特徴・狙いについて少し書いてみます
①オーケストラはトロンボーン抜きの2菅編成
ピッコロ、フルート、オーボエ×2、クラリネット×2、ファゴット×2、
ホルン×2、トランペット×2、ティンパニ(GCD)、弦5部
中堅のアマチュアオーケストラにもレパートリーに取り入れやすい編成なのではないかと思います。逆にアマチュアなのでどうしてもトロンボーンにも出番をあげたいという場合は最後の主題(5小節半だけの出番になってしまいますが)トロンボーン重ねるは可だと思います。
②早めのテンポ、きびきびした演奏対応の譜割
特に管楽器の楽譜ですが、同じ声部がずっと続くときでも極力交替にしたり掛け合いにしたりして、息をとる、休みをとることを考慮しています。
➂ほとんどの場面でオクターブ上を重ねている
パイプオルガンでの4フィートストップを入れるのと同じ事で、このことによりオルガンのサウンドに近づけています。これは趣味の問題で、オーケストラ曲としての完成度を目指すならその必要はないのですがまあ私の好みかもしれません。
プレイヤーにとっては異なる楽器とのオクターブユニゾンというのは音程を合わせにくく、嫌な編曲だと思う人もいるかもしれません。でもそれができてこそオケマンですし、トレーニングと考えれば良いと思います。
④バロックらしいダイナミクス、アーティキュレーション
メリハリ系のダイナミクス、私の知る範囲でなるべくバッハらしいアーティキュレーションを目指しました。
自分としては34小節目のトランペットのフレーズが良い思い付きで気に入っています。
(Youtube音源では1分40秒過ぎ位)
作曲年代や作曲のいきさつについてはよくわかっていません。アルンシュタット時代、ミュールハウゼン時代、ヴァイマール時代の初期?色々な説がありますが、とにかくバッハ20代前半位の若いころの作品です。
この曲は基本は3声のフーガとして書かれていますが、例外的に4声になる部分があります。こういうことはバッハのオルガンのためのフーガではよくあることなので、あまり厳密には考えていなかったのでしょう。
オルガンのための曲なので特にそうですが、新しい主題声部が入ってきたときに他の声部はバックに回るのではなく対等に渡り合うことを求められています。主題冒頭が4分音符の動きなのに対しその時の他の声部は8分または16分音符なので自然にキャラが立ち、対比が生まれるようにちゃんと作曲されてます。
曲の構造はユーチューブに乗せた譜面がオルガン譜そのままでなくSATBの4声になおした楽譜なのでそれを見るとわかりやすいと思います。この楽譜を作ったときのデータが有りますので、4重奏その他への編曲は、楽器への割り振りと音域の問題だけですぐにできます。リクエストあれば譜面作成いたします。(弦楽のための譜面はすでに作りました)
ところで
昔(私が中学生の時だから50年前)この曲は音楽の教科書に出ていました。今、この文章を書くために色々検索していたら今でもそうらしい。ならばなおさら方々で演奏されると良いかもしれない。よろしくお願いします。