くるみ割り人形の「アラビアの踊り」、バレエ原曲では "Le Café " で直訳すると「ザ・珈琲」とでもなるのでしょうが、名曲解説全集によると
「東洋的なキャラクターダンスで元来はグルジア地方の子守歌であった」とある。
「へえ、そうだったんだ」
なので、グーグル・ユーチューブで色々検索してみた。
なかなか苦労した。ジョージアで調べてもなかなか出てこないし、ジョージア国と入れてみたりグルジアと入れてみたりして試したら、やっとそれらしいのがありました。
まずはこちら
かなり違うけど、それっぽいメロディが出てくる。多分素材としてはこれなのだろう。
さらに調べると イッポリトフ=イヴァノフの「コーカサスの風景」組曲第2番「イヴェリア」の第2曲「子守歌」に同じメロディが使われているという。
「子守歌」は9:50位にスタート。例のメロディは10:50位に始まります。
チャイコフスキーよりはだいぶ西洋的だけど、所々「シェヘラザード」的なにおいを感じるのは気のせいだろうか。
ジョージア民謡を「アラブ」だなんてチャイコフスキーのエスニック感覚も「アバウトだなあ」と思ってしまうのですが、当時はグルジア(ジョージア)には国家組織がなく、あのあたりがロシア帝国とオスマン帝国の境目で、チャイコフスキー時代には(露土戦争の結果?)ロシア領だった筈だから、ロシア人の感覚としてはそうなのだろう。
ところでジョージア人にとってはこのメロディが自国のものなのは皆が知っていることで、くるみ割り人形上演の時は複雑な気持ちらしい。今度ギオルギ・バブアゼ先生に会ったら聞いてみよう。
ジョージア国って思いっきり英語読みだし、ジョージア州とも紛らわしいのでちゃんと現地での自称の通り「サカルトヴェロ」と呼びことにしても良いのではないかと思うのは私だけでしょうか?