「くるみ割り人形」抜粋(ピアノトリオのための)作りました。それでfinaleで譜面を作ったときにデモ音源も出来るわけだけど、意外にチャイコフスキーの指定のテンポはかなり速いことを実感した。具体的には
今回の4曲で
「行進曲」:
チャイコフスキーの指定は♩=144 これはあり得るテンポだが、私にはちょっと割り引いた方が良いように感じられる。今回の音源では♩=138とした。
「アラビアの踊り」:
指定はComodo (組曲版ではAllegretto)♪=144。これはかなり速い。デモ音源では♪=108としたが、これくらいのテンポでも早めに感じられると思う。というよりはこれくらいのテンポ設定をしている演奏なら指揮者が一応楽譜を気にしているなと私は思ってしまう。バレエ公演では♪=70台くらい(チャイコフスキーの半分のテンポ!)が多く(もっと遅い止まりそうなテンポでやらされることも多い)私なんかは「振付師さん!ちゃんと楽譜みて下さい!」と思ってしまうのだが、伝統的なものとは恐ろしい。結果的にこの場面の各国代表ダンス大会でアラビアだけが妙に出番が長い事になっていること多し。
「金平糖の精の踊り」:
指定は♩=80 ちょっと早い。今回の音源では♩=60とした。バレエ公演では♪=96位(♩だと48)も多し。
ところでそろそろ日本でも「金平糖」と言わずに原典通り「ドラジェの精」と言った方が雰囲気が出ると思うのは私だけだろうか。
「トレパック」
指定は♩=168.今回の音源では156スタートで最後のprestissimoが166.コンサートではこんなものか。バレエ公演では130位もよく見る。これに関してはダンサーの力量や都合もあるので、振付師さんばかりのせいではないと思う。
というわけで、チャイコフスキー先生は全体的にもっと早めに想定していたらしい。それとも当時のロシアのバレエ界が優秀だったのか。
全世界の振付師さん!楽譜からあまりにも逸脱した設定は実は指揮者やオーケストラも不本意なのです!と、ここでは言っておこう。
というわけでデモ音源をここにも張り付けておきます。