太齋春夫という画家をご存じだろうか。私も美術界に詳しいわけではないので、程度は良くわからないけど、普通には知られていない無名と言ってよい存在だと思う。
題名にもあるように私の母方の祖父なのだが、戦死したのでもちろん私は会ったことはない。
以下、身内自慢や先祖自慢に受け止められると不本意なのだが…。
時代と運命に翻弄されて、志半ばにして倒れた芸術家がいたことを知ってほしいという気持ちです。
左の絵は、私が所有していた絵で(今は練馬区立美術館収蔵)「カラジューム」
中央は、今、たぶん我が家にあるほとんど唯一の祖父の作品だと思う。気が付くまでただの古くて何に使うか良くわからない壺だと思っていた。
右は2017年に開催された祖父の展覧会での私。
見てお分かりのように漆を使って絵を描いたり、工芸作品を作ったりしていた。
他にも作品はいくつか残っていて、検索するとそれなりに出てきます。リンクをいくつか張り付けておきます。たとえば
クリックすると飛ぶと思います。
母から祖父の話を聞いたことはわりと少ない(疎開その他で同居していた時期も少なかったらしい)。ただ「おじいちゃんは特許を持っていた凄い人なんだよ」と良く言っていたのは覚えている。
当時は珍しかったことに自動車の運転が出来たので輜重兵として応召され、37歳で中国戦線で戦死した。
祖母は「車の免許を持っていたばっかりに」とよく言っていたらしいが、私が免許もクルマも持たない事とは直接関係はありません。
ちなみに祖母は歌うたいでした。最晩年若き日を思い出して歌っていたのがモーツァルトとかシューベルトなので歌手というよりは声楽家なのだろう。「愛宕山の放送局から車でお迎えが来たんだ」とか自慢していたし、マイクの前の写真も見たことがあるのでそれなりに活躍したのかも知れない。でも活動期間が短かったこともあり(祖父と結婚してからは歌ってないと聞いた)、検索しても全然出てこない。NHKの古い資料などに記録があるのかどうか。(録音はあるわけないけど。)
祖父の交友関係(佐藤忠良さん、高橋英吉さん、内田巌さんなど)や祖母の交友関係(淡谷のり子さんなど)などを膨らませれば、TVドラマにもなりそうな人生だとも思うが(高橋英吉さん主人公の映画は作られたことがあるらしい、祖父もそれなりの役どころとして出てきたらしいが私は見ていない)、かと言ってNHK連続ドラマにするほど波乱万丈でもないし、当時のことを知る人はどんどん少なくなっているので、知る人だけが知っていて作品が残れば良いのかもしれない。