今私は、とある市民オーケストラとタンホイザー序曲に取り組んでいる。
ところで、はじめてこの曲を合奏したとき(40年以上前、中2の時だったと思う)以来素朴な疑問がある。まずは音源を聞いてもらいたい。
さて問題です。この曲の終結部分を耳コピで書き取ってもらうとしよう。原曲のスコアを知らない人ならこんな楽譜にするのではないだろうか?
このレコード(中学生の時に買ったクレンペラー/フィルハーモニアの演奏です)でなくとも楽譜にするとこんな感じのテンポ設定をしている演奏が多いと思う。
でも元のスコアをこの様に3拍子で書くなら正解はこうなのだ。
私にはなぜ世界のマエストロたちがまるでワーグナーの楽譜を無視したかのような終わり方をするのか不思議でしかたがない。
試しにfinaleの音源で楽譜通りに鳴らしてみましょう。
合成音でセンスがないこともあり、いつも聴きなれているのと違いすぎて違和感を感じる人が多いだろう。
でも私は本当はこう演奏するべきだと思っている。実演ではもっとそれなりにサマになるように処理できるだろう。
また本来はこの後にすぐオペラが始まるので、こういう素っ気ないというかあまり堂々と大エンディングにならないのが本来のワーグナーの構想だったのではないだろうかと思っているのです。
今回は本番は違う人が振るので練習の時もそれなりの設定でやっています。私が演奏会で振る機会がもしあるなら、楽譜通りに沿った終わり方にチャレンジしたいと思っています。その時はまた考えが変わっているかもしれないけれど。