トッカータとフーガニ短調BWV565にはかの有名なストコフスキーの編曲があります。
というよりはストコフスキーが編曲し、盛んに演奏したので有名になった、更にはファンタジアにも使われたことで一般の人たちにも超有名曲になった、と言えると思います。
なぜそれなのに私があえて新編曲を作ったか?
私の中では理由はいくつかあります。
ひとつには、ストコフスキーの編曲がかなり大胆すぎて、私の思っているイメージとかなり違うこと。
また、編成的・技術的にもっと一般のアマチュアオーケストラなどでも取り上げやすい形にしたかったこと。
今まで何曲かバッハ作品の編曲をやってきて、でもなかなか売れないのもあって、あえて超有名曲であるこの曲に手を出した、というのもあります。
理由はともかく、やってみたら出来栄えにはそれなりに手ごたえを感じたので、どんどん演奏していただきたいと思っています。
この曲には自筆譜など良質の基本資料がなく、出版によって微妙に音やテンポ指示、フェルマータの付き方など違いがあります。
今回は昔から手元に持っていた日本楽譜出版社のものと、高校時代に図書館の資料からコピーした楽譜(出版社不明)を基にしています。(YouTubeに上げたデモ音源に映像している楽譜は若干違いがあります。)
編曲にあたってこんな事を考えました。
オルガン原曲の譜割にそった音が出るようにする。(見やすさ、合奏のしやすさのために記譜は変えているところがあります)
必要なところにはオクターブ上(場所によっては2オクターブ上も)の音を重ね、パイプオルガンの4フィート。2フィートストップが入ったサウンドに近づける。
可能なところは管楽器の息継ぎ、ペース配分も考慮する。
とりあえず演奏してみていただきたいと思っています。
トリルのこと、偽作説のことなどはブログに書きましたのでそちらを見てください。